特定金属くず買受業の届出とは?金属盗対策法の対象・期限・手続きを解説

「銅くずを買い取っているけれど、2026年6月から始まった届出って、うちも対象なの?」
「前から持っている金属くず商の許可があれば、もう大丈夫なのでは?」
そんな疑問を持つ方のために、特定金属くず買受業の届出のポイントをまとめました。とくに間違えやすい「都道府県条例の金属くず商許可との違い」も、しっかり整理しています。
特定金属くず買受業の届出とは?
太陽光発電所の銅線ケーブルなど、金属の盗難が各地で問題になっています。盗まれた金属が「くず」として売られてしまうのを防ぐために、令和7年6月20日に公布されたのが「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」、通称金属盗対策法です。
この法律により、令和8年(2026年)6月1日から、「特定金属くず」を買い取る営業を行う場合は、営業所ごとに、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会へ届出をすることが必要になりました(窓口は管轄の警察署です)。
要注意!条例の「金属くず商許可」とは別の手続きです
⚠️いちばん多い勘違いがこれです
「金属くず商の許可を持っているから大丈夫」はNG。金属盗対策法の届出は、各都道府県の条例で定められている金属くず商の許可とはまったく別の制度です。
| 特定金属くず買受業の届出 | 金属くず商の許可 | |
| 根拠 | 金属盗対策法(全国共通の法律) | 各都道府県の金属くず(商)に関する条例 |
| 対象 | 主として銅でできた金属くずの買受け | 金属くずの売買・交換など(金属くず全般) |
| 手続き | 公安委員会への届出(営業所ごと) | 許可や届出など、都道府県ごとに内容が異なる |
| 主な義務 | 本人確認、取引記録の作成・保存、氏名等の表示など | 条例で定める遵守事項(都道府県により異なる) |
すでに条例に基づく許可や届出をしていても、主として銅からなる金属くずを買い取るなら、金属盗対策法の届出も別に必要です。逆に、金属盗対策法の届出をしたからといって、条例の許可が不要になるわけでもありません。都道府県によっては、両方の手続きが必要になります。
また、まだ使える中古品(古物)を扱うなら古物営業法の許可も関わってきます。「使えるもの」は古物、「本来の用法で使えなくなったもの」は金属くず、という整理です。両方を扱うなら、どちらの手続きも必要になります。
※条例の名称・許可か届出か・必要書類は都道府県ごとに違います。事業所のある都道府県の制度は、個別にご確認ください。
対象になる「特定金属くず」とは
特定金属くずとは、主として特定金属(現在は「銅」)でできている金属くずのこと。目安は、銅の重量または価額が全体の2分の1以上かどうかです。
- 銅線、銅板、銅管などの銅くず
- 銅を主成分とする青銅、真鍮(しんちゅう)のくず
- 銅が使われているエアコン室外機のくず など
ただし、次のものは対象外です。
- 物品を製造する過程で出たもの(工場の端材など)
- 古物営業法上の「古物」にあたるもの(本来の用法で使える中古品)
※特定金属は、今後政令で追加される可能性があります(鉄やアルミなど)。最新情報のチェックを忘れずに。
届出が必要な人と、期限
特定金属くずの買受けを営業として行う、個人事業主・法人どちらもが対象です。スクラップ業者さん、解体業・リサイクル業を営んでいて金属くずの買取りもしている事業者さんも当てはまります。
期限のポイント
- 新しく始める場合:営業を開始する日の前日までに届出
- 施行時(2026年6月1日)にすでに営んでいた場合:経過措置は2026年8月31日で終了しています
届出に必要な書類
基本の書類は次のとおりです(都道府県警察の案内の例です。詳しくは管轄の警察署でご確認ください)。
共通
- 営業開始届出書
- 営業所および特定金属くずの保管場所の平面図、それらの周囲の略図
個人の場合
- 住民票の写し(本籍、外国人は国籍等の記載のもの)
法人の場合
- 定款
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 代表者の住民票の写し(本籍、外国人は国籍等の記載のもの)
平面図や略図は、保管場所の位置関係までわかるように描く必要があり、意外と手間がかかる部分です。
特定金属くず買受業の届出様式一覧 (警視庁)
届出のあとに守るルール
届出は「出して終わり」ではありません。営業を続けるうえで、次の義務があります。
- 本人確認:買い取るとき、相手方の本人特定事項を確認(例:運転免許証などの顔写真付き書類)
- 取引記録の作成・保存:相手方の氏名、日時、量、特徴、価額などを直ちに記録し、3年間保存
- 警察官への申告:盗品の疑いがあるときは直ちに申告(例:本人確認を拒否された場合など)
日々の買取りの中で記録を残していく運用が大切です。現場で使いやすい台帳のひな形づくりも、あわせてご相談いただけます。
届出をしないとどうなる?
届出をせずに特定金属くず買受業を営んだ場合(無届け営業)は、6か月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されるおそれがあります。「知らなかった」では済まないため、早めの対応が安心です。
その他の罰則
- 名義貸し・・6ヶ月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金または併科
- 虚偽届出違反・・30万円以下の罰金
- 廃止・変更届出義務・虚偽届出違反・・30万円以下の罰金
- 報告義務・立入検査妨害違反・・30万円以下の罰金
- 指定金属切断工具の隠匿携帯禁止・・1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
- 営業停止命令違反・・1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金または併科
(注意)上記刑事罰と同時に、行政処分が科せられる場合もあります
手続きの流れ
扱う金属くずが「主として銅」か、古物との区別も含めて整理します。
事業所のある都道府県の条例で許可が必要かを確認します。
届出書、平面図・略図、住民票や登記事項証明書などをそろえます。
営業所の所在地を管轄する警察署に提出します。
届出番号などの表示、本人確認・取引記録の運用を始めます。
まとめ
特定金属くず買受業の届出は、2026年6月から始まった新しい制度です。ポイントは次の3つです。
- 主として銅でできた金属くずを買い取るなら、営業所ごとに届出が必要
- 条例の金属くず商の許可とは別制度で、どちらも必要になることがある
- 届出後も、本人確認・取引記録・申告義務などのルールを守り続ける
「自分の場合はどうなるの?」と迷ったら、一人で悩まず、ぜひ私たちにご相談ください。
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