取り扱う古物に不正品の疑いがある場合の対応

目次

はじめに

古物営業法は、盗品等の売買の防止、速やかな発見を図るため、古物営業の業務に必要な規制を行い、もって窃盗その他の犯罪の防止を図り、被害の迅速な回復を目的としていると規定しています。
その目的から古物商にはさまざまな義務が課せられ、その主な古物商の義務として「取引相手の確認義務」「不正品等の申告義務」「帳簿等の記録義務」があり、これらを古物商等の防犯三大義務といいます

ここではそのうちの、取り扱う古物に不正品等の疑いがある場合の申告義務について解説します。

古物商の不正品等の申告義務

古物営業法第15条3項
古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとする場合において、当該古物について不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。

古物商が古物取引の際に、取引の相手方から盗品等の不正品の疑いがあるような物が持ち込まれた場合、直ちに警察に申告する義務があります。
申告の方法は、「110番」でも構いませんし、営業所を管轄する警察署でもかまいません。
不正品の疑いがある場合は、放置せずに警察に申告しなければなりません。

不正品を見極めるポイント

その物が盗品等の不正品かどうかを見極める際のポイントとして、その物だけでなく、その物を持ち込んだ人に対に対しても着眼することが重要です。
具体的に以下のような場合には注意が必要です。

人に対する着眼点
・落ち着きがなく、会話が曖昧である
・持ち込んだ機器の操作方法や価格等を知らない
・取引を急がせ、早くその場を立ち去ろうとする
・わざわざ遠隔地から持ち込んできた
・購入場所や商品知識が会話内容から曖昧である
・職業、年齢、性別から不相応な物をもってきた
・同一人が頻繁に来る

物に対する着眼点
・同種の物を何度も持ってくる
・一度に大量の物を持ってくる
・高価な商品なのに保証書なない
・製造番号が消されたり、はがされている
・ネームタグが付いている
・ケースや付属品のない物を持ってきた
・品触品を持ってきた

不正品を申告しなかった場合

盗品等不正品の申告義務を怠った場合は、古物営業法に罰則はありませんが、不正品申告義務違反として営業停止命令の行政処分を受ける可能性があります。

管理者に求められる知識、技術又は経験

古物商は、管理者に対して古物営業の責任者として、取り扱う古物が盗品等の不正品であるかどうかを判断するための知識、技術又は経験を得させるように努めなければならないとしています。
さらに施行規則では、自動車、自動二輪車又は原動機付自転車を取り扱う営業所の管理者について、不正品の疑いのある自動車、自動二輪車又は原動機付自転車の改造等の有無並びに改造等のある態様及び程度を判断できる知識、技術又は経験を、古物営業の業務に3年以上従事した者が通常有すると定めています。

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    この記事を書いた人

    香取 宏忠のアバター 香取 宏忠 行政書士

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